構造最適設計CAEソフトウェア OPTISHAPE-TS の
機能や使い方について紹介しているブログです.

OPTISHAPE-TSの製品に関する情報はこちら

2013年04月17日

骨々しい台座はどのようにして設計されたか(位相最適化とは)

OPTISHAPE-TS で設計した台座が,NHK EテレのサイエンスZEROという番組で取り上げられました.この記事は前回の記事からの続きです.

130417_topo

前回の記事はこちら.

●番組HP
サイエンスZERO 3Dプリンター「魔法の箱」の真骨頂!
http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp422.html
( NHKオンライン トップページ http://www.nhk.or.jp/ )

●位相最適化とは
今回は位相最適化について説明をしたいと思います.「最適化」という言葉を多用しますが,言葉になじみがなくピンとこない人は「軽量化」という言葉に置き換えて読んでみて下さい.

位相最適化を行う上で決めないといけないことがいくつかあります.

  • どんなものの,どこをターゲットに最適化するのか.
  • どこにどんな力がかかるか(荷重条件)
  • どこを止めるか(拘束条件)
  • 目的と制約(目的関数,制約関数)

荷重条件,拘束条件というものは,材料力学や構造力学のお話になるので,よくわからないという場合には,ものが壊れるかどうかを計算するためにはそういうものが必要という程度の認識で.
(※材料力学や構造力学の話ということだと,どんな材料を使うかという点も大変重要なのですが,今回は「なるべく硬くする」「全体が均一材料」というものしか扱わないので省略しました.このような条件下の場合,どんな材料を使っても出てくる結果(位相)は同じだからです.)

目的,制約というものは,最適化を行う上で必要になってくるものです.
目的というのは,最適化のうち最大化もしくは最小化したいもののことで,制約というのは維持しないといけない条件のことです.例えば軽量化(重量の最小化)や硬くする(剛性最大化)などが目的になります.

制約というのは,逆に守らなくてはいけない条件のこと.例えば,重量は10kg以下にしろとか,硬さ(剛性)はこれこれ以上にしなさいという話です.制約がない状態で最適化をした場合,例えば軽量化が目的なら全部すかすかの0kgが最適,硬くする(剛性最大化)が目的ならめいいっぱい材料を詰め込んだ状態が最適化の答えになってしまいます.だからといって,あれもこれもと色々な制約を付けてしまうと,今度は全く動かなくなってしまいます.

剛性やら軽量化やらという単語は難解だ!という人も居るかもしれないので,そういった言葉を使わずに説明します.「1万円で乗り物に乗ってどれだけ遠くにいけるか」 というチャレンジのうち,「1万円で」という部分が制約,「遠くにいく」というのが目的です.1万円でという条件がなければ,ブラジルだろうが月だろうがイスカンダルだろうが,どんな距離でもOKという話になってしまいます.逆に「10円で」とか言われても,乗れるものがなくてチャレンジが破たんしてしまいます.

話を戻しましょう.位相最適化の場合,目的に硬さ(剛性),制約に初期形状の**%の体積というものがよく使われます.これは,設計領域の**%の材料を使って,なるべく硬い形状を出しなさいという条件です.

●例題
MBB梁というものらしいです.OPTISHAPE-TSのチュートリアルでも使っている例題です.130417_2

目的:なるべく硬く (剛性最大化,コンプライアンス最小化)
制約:紺色の部分の30%の材料を使って模様をだす. (初期形状の体積の30%以下)

130417_4

テレビ番組をご覧になった方は,台座の「なんて複雑な形状なんだ,まさにコンピューターで自動計算した形状だ」というあの形状の印象が強く,この例題を見てがっかりしたかと思います.なんだか,橋とか屋根とか,どこかで見たことのある形状をしています.
コンピューターを使って自動的に形状が出るからと言って複雑でインパクトのある形状になるわけではなく,非常にシンプルな形状が良い形状だったということもあるという話です.とはいえ,下の中央部分が両端に比べて太かったりなど,必ずしも人間が考えたような形状と全く同じわけではないという点にも注目です.

●片持ち梁
他にも例を出そうと考えていますが,長くなってしまったのでこの記事はここまで.
最後にクイズを出して,この記事は終わりにしたいと思います.

130417_5

目的:なるべく硬く (剛性最大化,コンプライアンス最小化)
制約:紺色の部分の30%の材料を使って模様をだす (初期形状の体積の30%以下)
追加条件:金太郎あめのように,どこを切っても同じ形 (等断面)

構造力学や材料力学を学んだ人にはおなじみの片持ち梁.これを位相最適化すると,どんな形状が出てくるでしょうか.という問題です.ポイントはどこを切っても同じ形という点になるかと思います.
頭のトレーニングだと思って,少し考えてみてください.

●(控えめな)宣伝
弊社解析ギャラリーも是非ご覧ください.
http://www.quint.co.jp/jp/tech/gallery/index.htm

posted by 株式会社くいんと at 22:40| くいんと交流会2012 | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。